リハーサル5日目
一昨日は旅の疲れかダウンしましたが、もうすっかり元気です!
このブログを見てくださっている方々から心配のメールなどを頂いたり、オーケストラのメンバーからも心配して頂いたりで、本当に管理不行き届きでスミマセンでした!
もう大丈夫です!
さて、今日からはいよいよ和太鼓と津軽三味線の合わせになります。
午前8時からステージへ和太鼓のセッティング。
パリの日本文化会館からお借りした3尺近い大太鼓をステージへセッティングするのは大変だろうと思っていましたが、なんとドイツ人4人でセッティングしたとか。日本人なら6,7人は必要ですが、さすがです、ドイツの力自慢!
セッティングを終え、オーケストラがくる前に太鼓の音慣らしをしてみる英哲さんと上田さんと田代さん。
ホールの鳴りが良いので響きがスゴいのですが、パリからの大太鼓は新しいのもあって、まだ音がパンパンでした(所謂ドンドンではなく)。英哲さん達がいろいろと工夫をしてくれて、だいぶ太い音になってきましたが、もう少しコンディションを調整するそうです。
今日は、オーケストラと和太鼓との録音のためのサウンドチェックが主なので、「鬼神」を軽く一度通すのと、部分確認のみのリハーサルでした。
それでも、初めて聴く和太鼓にオーケストラのメンバーは興味津々。
「鬼神」もリアルにその楽曲の姿が見えてきて、まだまだやりたい気持ちを抑え、サウンドチェックに徹しました。
和太鼓とオーケストラの協奏曲で一番の問題が、この音量差。
しかも、今回は3人も手練の太鼓打ちがいるとなると、いかにドイツのオーケストラでも弦楽器が聞こえないのではないかという不安から、エンジニアからの提案で、弦楽器一人一人にピンマイクを付けてフォローしてみるという試みをすることになりました。
しかし、やはりアンプを通しての音ではどうしても本来の弦の鳴りとは味が違います。
そして、今回のゲストの英哲さんはこれまでに何十回とオーケストラと共演しているので、その音量的なバランス感覚は素晴らしく、最初の合わせでもオーケストラをマスキング(隠蔽)することなく、アンサンブルしてくれていました。
これはやはり経験のなせる技ですね。
今日の結果をいろいろと試行錯誤をして、明日の本格的なリハーサルに臨むことにしました。
その後に、本日のメインイベント、津軽三味線の木乃下真市さんの登場です。
オーケストラのメンバーの中には、“三味線”を知っている人もいて、「こんなに大きな音のするオーケストラだときっと三味線は聞こえないよ」なんて、昨日のリハーサルまでは言っていました。
ところが、木乃下さんがチューニングをして軽く試し弾きをした瞬間、メンバーの顔色が変わりました!
今まで聴いたことがない音。そんな体験の顔なんです。
僕も正直ビックリしたのですが、ここヨーロッパは乾燥しているので弦楽器の鳴りが良いとはよく言われることですが、津軽三味線も例外ではなく、いつもの5倍くらいの鳴り! まるでアンプを付けたような大きな音で、でもスゴく抜けが良く、木乃下さん本人もちょっと驚いていました。
これならオーケストラに負ける訳ないだろう!
と、心の中でつぶやきながら「絃魂」の初合わせ。
最初は、お互いテンポ感が掴めず、少しゆっくり目の演奏になりましたが、リハーサルを重ねて行くごとに、段々本来の木乃下さんのテンポになってきて、ノリも良くなってきました。
指揮の水間さんも、津軽三味線とオーケストラを上手くコントロールしてくれて、ほどなくお互い息もピッタリ合うようになってきました。
今までのブログで書いて来たように、こちらではリハーサル兼録音というのが放送オーケストラのスタイルなので、当然「絃魂」も録音に入ります。
この録音のために部分的に何度も録るのが、お互いのアンサンブル感覚の融合にちょうど良く、段々とテンポのツボが入ってきました。
結構大変でしたが、今日のラストまでに「絃魂」の録音を終了できました。
「昨日言っていたことは訂正するよ。この三味線はスゴイ!」と“三味線”を知っていた楽員が真っ先に飛んで来たのが嬉しかったです。
無事録り終えた後の木乃下さんと水間さんと僕。
このリハーサル&録音時に英哲さんもずっと立ち会ってくれて、いろいろとアドバイスを頂きました。さすが海外オーケストラとの経験も豊富な英哲さんのアドバイスなので、いろいろと為になりました。
明日は、僕の指揮で「鬼神」のリハーサル&録音なので、僕がしっかりせねば!
リハーサル後は、皆さんと中華で遅いランチ。
その後は自由行動。
そして、夜はみんなでライン川沿いのレストランへ繰り出しました。
ちょっと雨模様が心配な空を見ながらライン川へ。
沢山あるレストランの中から、今日はイタリアン。
一番表のテラス席に陣取ったものの、ものの5分で案の定、雨が…
急遽大移動で、気を取り直し乾杯!
帰る頃には雨もやみ、夜風に吹かれながらホテルへ
皆さん、明日もよろしくお願いします!