気が付けば2週間ぶりのブログになってしまいました!(大汗)
この間、地方へ打ち合わせに出たり、締切りがあったり、録音や収録…
ケルンに行く前にやっておかなければならないことが山ほどあり、
アッという間の2週間でした。

そうそう、台風や地震など天災も凄かったですね。
被害に遭われた方へ心からお見舞い申し上げます。

さて、先日再び林英哲さんの太鼓道場へリハーサルへ行ってきました。
道場は、某所山中にあるのですが、緑の森の中、太鼓の音が響き渡りました。
英哲さんとは、ここ数年続けて拙作を初演してもらっているので、お互いやり口が分かると言うか、こうして欲しいとか、こうくるな、というのが以心伝心出来るようで、とても充実したリハーサルが出来ました。

鬼神リハーサル
左から、上田秀一郎さん、林英哲さん、田代誠さん

今回の新作「鬼神」は、以前このブログでも書きましたが、
鬼=大地の神=太鼓」と「神=天上の神=オーケストラ」という構図からなり、
日本の音と西洋の音との対比と融合でもあります。
既に数多くのオーケストラとの協奏曲を初演している英哲さんですが、この「鬼神」も英哲さんの太鼓を想定し、彼を中心にオーケストラも配置しています。

鬼神スコア

今回のコンサートの立案者でもある事務局長のFechner氏は、和太鼓とオーケストラの新曲をまず第一に考えたらしいのですが、特に特定の和太鼓奏者を決めていたわけではありませんでした。

オーケストラとの協奏曲というからには、新作の楽譜が読めるのは勿論のこと、オーケストラとのバランスや指揮者との呼吸、リズム感の違いを補正する技術など、かなりのテクニックと経験を必要とします。
現在、日本も和太鼓ブームもあって数千団体の和太鼓グループがあるのですが、この条件を満たしてくれるところは、英哲さんと英哲風雲の会を覗いてほとんどないのが現状なんです。

僕は、この話が来た時に真っ先に英哲さんのことをイメージし、彼にしかこのコンサートは出来ないとFechner氏に推薦したのでした。
英哲さんとはじめて会った「四座響宴」から、吹奏楽との協奏曲「鼓神」、打楽器アンサンブルとのコラボレーション「鼓神 II」、そしてこの「鬼神」と4作目を数えるに至りました。
どの作品も作曲者の楽想を大きく上回るパフォーマンスで、圧倒的な生命力を作品に吹き込んでくれます。
作曲家にとって数少ない「作品を書きたい演奏家」なんです。

コンサートのフィナーレを飾る「鬼神」が、どのようにドイツのお客様に迎えられるか楽しみなところです。